第十七回:「自分の隊服は気にいってる?」 |
「今回の質問は、去年に募集した、みんなからの質問の復活当選分だって」 | 「ふっかつとうせん…?」 | 「大方、質問を考えるのがめんどくさ…」 | 「いやいや、そんなことないだろ…!…多分…」 | 「ふ~ん。まーでも細かいことはいいやー。 早く質問に答えようぜ!」 |
「…それもそうだな」 |
「ええと、自分の隊服を気に入ってるか…っていう質問だけど…」 | 「こーちゃんとくろさんは気にいってるって言ってた!」 | 「答えるの早いな!オレ、話してる、途中!」 | 「そもそも自分の好みの隊服になっているから、 気に入ってなかったらおかしいだろう」 |
「葵も!話聞いて…!」 | 「もーなんだよー こーすけが話すの遅いからだろー」 |
「翠がせっかちなだけだろ! 人のせいにするなよ!」 |
「は?誰がせっかちだって!?」 | 「おい、いい加減にしないか。 話がまったく前に進まないのだが」 |
「え、あっ、ごめん葵…」 | 「ごめん…」 |
「気を取り直して…ダンジジャーの隊服は、基本の形が決まっているんだけど、 そこから個人の好みや意見を取り入れて、それぞれの隊服になっているんだ」 |
「そういうことだから、 自分の隊服を気に入っていない者はいないということだ」 |
「だよなー。 おれもめちゃめちゃ気に入ってるぜー!」 |
「で、皆がこだわった部分、気に入ってる部分だけど、 黒ノ介くんは、格闘技を使うから、動きやすさ重視。 琥珀くんは、なんか…優雅っぽいのっていう注文付けてたと思う」 |
「とーやは、ブーツとふわふわな腰紐がかわいいって言ってた! あと…こーちゃんは、シンプルなものが一番だ、って」 |
「紅輔も、動きやすさ重視だが、華やかに。 翠は祭りのイメージだったか」 |
「うん、そうそう」 | 「だってリーダーなんだから、華やかさは必要だろ!」 |
「そういえば、 あおいは”なんで女物の着物着てんの”ってよく聞くけど…」 |
「………は?」 | 「うわっ葵の目が怖い…」 | 「あれ?おれなんか変なこと聞いた?」 | 「またその話か。いい加減にしろよ翠…」 | 「えっ?えっ?あおいなんか怒ってる?」 | 「葵は女子と間違えられることが死ぬほど嫌いなんだって…! 1度目は許してもらえるけど2度目は駄目だって…!」 |
「えええ!そうだったのかよ…知らなかった…」 | 「おい、翠…」 | 「はいぃぃ!」 | 「お前にはこれが女性物の着物に見えるのか?」 | 「いいえ!めっそうもございません!」 | 「…そうか。ならいい。 ただし、次はないぞ」 |
「(あおいってこんな怖かったっけ~…)」 | 「(場の空気が最悪だ…なんとかしないと…!)」 |
「しかし、何故そういう風に言われないといけないんだ… 男子は浴衣を着るなと言っている様なものではないか…」 |
「…いや…あの…帯の結び方のせいじゃないかな…?」 | 「なんだと…!そうなのか…!?」 | 「え!気づいてなかったの!?」 | 「…うるさいぞ、翠」 | 「やめてその目やめて」 | 「着物の合わせは男女共有だけど、帯は違うでしょ? やっぱり帯の部分で女物って思われちゃったのかも…?」 |
「しかし、一文字結びは普通にするだろう? 帯だけで間違えられるのはやはり納得いかないな」 |
「なら、その上から袴はいたら間違えられないんじゃない?」 | 「…翠のくせに良い案を出すではないか。 ふむ、考えてみるか…」 |
「えっ…考えちゃうんだ…」 |
「ちなみに和服は左前だと死装束になるから気をつけろよ!」 |