第二十五回:「貰ったら嬉しいって思うものは?」 |
「今回の質問は、貰って嬉しいと思うもの!」 | 「何それ?こーすけなんかくれんの?」 | 「オレがあげる訳じゃないけど…」 | 「翠はいったい何を期待しているんだ」 | 「えーだってこういう質問するくらいなんだから何か貰えるのかなって」 | 「欲望に忠実だな、お前は…」 |
「ええっと、翠のことは置いておいて、 皆の意見を聞いてきた!」 |
「仕事が早いな。で、どうだったんだ?」 | 「だいたい想像はつくと思うんだけど、 孝紫くんは食べ物ならなんでも嬉しいって」 |
「ああ、うん知ってた!」 | 「いつもの孝紫だな」 | 「うん。野球の道具とかも嬉しいけどやっぱり自分で選びたいからって。 で、橙矢は果物とか素材をくれたらお菓子を作ってお返ししますって」 |
「ほんと!じゃあ今度とーやに果物もって行こ!」 | 「おい、こら翠…」 | 「え…?だめ…?」 | 「駄目ではないけど、きちんと橙矢と相談しろよ」 | 「はーい」 | 「で、葵が自分の行けない場所の温泉の素が欲しいって」 | 「ん?温泉の素でいいのか? 温泉にただならぬこだわりを持っているあの葵が?」 |
「遠い所とか、なかなか行く機会がないだろうから、 この際、素でもいいって」 |
「あおいもだきょうするんだな」 | 「あんまり言いすぎると葵に怒られるぞ。 で、琥珀くんは、気持ちだけで十分だけどあえて貰うなら 絵具が欲しいって」 |
「ああ…絵具って消耗品だしな」 | 「絵具かー。残ってるの持ってるけど喜んでくれるかな?」 | 「それはやめておきなさい」 | 「という結果でした! ということで、あとはオレたちなんだけど…」 |
「おれはゲームソフトを買う資金が欲しい!」 | 「それって…ものじゃないよな…」 | 「安易にお金欲しいって言ってるのと同じだぞ、それ」 | 「え?だめ?」 | 「他にないのか?」 | 「だっておれもサッカーの道具は自分で選びたいしなぁ… う~ん…考え付かない…」 |
「じゃあ翠は“なし”な」 | 「えーーー!?じゃ、じゃあテーピングで…」 | 「ああ、それがいいんじゃないか」 | 「えっとじゃあ、黒ノ介くんは?」 | 「俺か?俺は…頂けるものなら何でもありがたいな…」 | 「え?欲しい物とかないの?おれには聞いておいて?」 | 「…そ、そうだな。すまない…」 | 「黒ノ介くんってもしかして、 お土産でもらったペナントとかも大事に取っておくタイプ?」 |
「ん?あぁ…まぁそうだな。でもあれ、どうしたらいいか分からないよな」 | 「やっぱあれわかんないよね?おれもどうしたらいいのかわかんない!」 | 「だよなぁ。壁に貼ればいいのか?」 | 「ちょっと待って、ペナントの話じゃなくって!」 | 「ん?ああ、そうだな。何か欲しい物がないか考えておくな」 | 「んじゃあ最後はこーすけな!」 | 「オレは、お土産屋さんでよくあるご当地ラーメン!」 | 「なんでわざわざお土産屋さん?」 | 「お土産屋さんじゃなくてもいいけど…理由は葵と同じ! ほんとは地元で食べた方が美味しいんだろうけどさすがにね…」 |
「それ…ラーメン博物館みたいなところに行ったら てっとり早いんじゃないか?」 |
「!?」 | 「なにそれ?そんなんあるの?」 | 「ああ。確かそんなようなのがあった気が… 俺もあまり詳しくは知らないが…」 |
「その手があったか!ちょっと調べてくる!」 |
「最近、紅輔のラーメンへかける情熱がすごくなってる気がするんだが…」 | 「そっかなー?結構前からあんな感じだったと思うよー」 | 「…そ、そうか…」 |